値札人間
「お前さ、自分の数字まじで知らないの?」


イブキが立ちあがり、あたしに手鏡を突きつけてきた。


しかし、そこには自分の顔が写っているばかりで数字は見えない。


「ダメだよイブキ君。自分の数字は自分じゃ見えないんだから」


イツミの言葉に「あ、そっかぁ」とわざとらしく笑うイブキ。


「じゃあ特別に教えてやるよ」


イブキはそう言うとあたしの耳元に顔を近づけてきた。


「お前の数字……たったの10だぞ?」


え……?


あたしはすぐには反応することができなかった。


あたしの価値は10?


そんなことあるはずない!


あたしは価値の高いクラスメートと友達に持って、価値の高い彼氏がいるんだから!!
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