値札人間
「それ、あたしの消しゴムじゃないの!?」


「そうだよ? だからなぁに?」


イツミは次々と消しゴムをアマネに投げつける。


今までこんなことはなかったのに、クラスメートたちはみんなクスクスと笑っているばかりだ。


どうしよう。


誰も助けないのなら、行ったほうがいいだろうか?


「幼稚だよねぇイツミって」


アキホが呆れたように言っている。


「そうだよね。あたし止めてくる」


そう言って席を立とうと思ったが、アキホがあたしの腕を掴んで引きとめていた。


「ダメだよ、アマネを甘やかしちゃ」


「え?」
< 77 / 226 >

この作品をシェア

pagetop