眠たい男の子は頑張り屋さん
「よいっしょ……と。ご飯ご飯……」

 わたしは机に包みを置くと、晩ご飯を食べるために冷蔵庫を開けた。

 中身は見事に空っぽだ。

 あ、どうしようかな、ご飯ない……と、少し考えたが、すぐに鼻が動いた。

「くんくんくん……この匂いは……!」

 わたしはドタバタと部屋のベランダにでて、横の部屋を見た。

 よし、窓はあいてる……!

「なっちゃーん!ご飯くださーい!」

 わたしが叫ぶと、何やら物音がした。

 しばらくすると、隣の部屋からひょこっとベランダに可愛らしい女の子が現れた。

「ほ、ほのちゃん……!しぃー!」

「あ、ごめんごめん。それよりご飯くださーい!」

「まったくもう、ほのちゃんは……。はい、早くこっちにきて」
< 12 / 17 >

この作品をシェア

pagetop