煙の中の彼


世の中には名前の付けられない関係や、タブーとされる関係、祝福される関係、色々ある。


その中で私と聖の関係は恐らくタブーとされる関係に当てはまるのだと思う。


彼の左手には指輪の日焼け跡があるのを、いつも私は見て見ぬふりしてきた。





パタンーーーー


「まって、ちょ、」

「待たねぇ。」

荒々しく貪るように聖はキスをする。

深く深くお互いの呼吸を交換するようなキス。

頭がクラクラして何も考えられなくなってしまう。

服を剥ぐように脱がしてベットへ放り投げられる。

「まって、シャワー、」

「むり、却下」

「ちょ、」

まるで獣のような光を宿した瞳をして聖は私を喰らい尽くす。

一欠片も残さずたいらげられてしまう。
そんな思いに駆られるほど荒々しく私を抱く。

毎週金曜日。
BAR から出た私達の秘密。



ーーーー私は聖のセフレ


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