煙の中の彼


ーーーー葵side


金曜日。

なんだかんだで一週間が終わった。

いつもならすぐにBar After the Rainに行くけれど、今日は悠さんと女子会だ。


一人でいると自分から終わりを選んだくせにいつも聖のことで頭と心が埋め尽くされてついに夢にまで見るようになってしまった。

まぁ7年間をすぐに思い出にできるとは思っていなかったけどまさか夢にまでみるようになるとは…

♪~♪~♪~

『若松 悠』

「もしもし、悠さん?仕事終わりました?」

「うん!今から向かうね!」

「待ってますね」

「待たせてごめんね。急いでいく!」

「ゆっくりで大丈夫ですよ」

pi-------


待ち合わせの店は小さな小料理屋。

朗らかな笑顔が特徴のご主人と奥様の二人で営んでいらっしゃるこじんまりしているが明るくいいお店だ。

18:30。

いつも金曜日はここによってからあのBarに向かっていた。

悠さんと金曜日にこうして飲むのも久しぶりな気がする。

聖に再会してから私のすべてがあいつに染まっていた気がする。

喜怒哀楽すべてが聖に他する感情であふれていた。


「ごめん!おまたせ!」

「そんなに待ってないから大丈夫ですよ
お疲れ様です。」

「ありがとう。じゃあさっそく飲みましょ!」

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