不本意ながら、極上社長に娶られることになりました


「ああ、うん、大丈夫。雨だしね、気圧の変化でかも」

「ふ~ん……」

「ふ~ん、て」

「いや、なんとなく、だけどさ……頭痛って、違う意味でだったりしてって、思って」


 修哉の鋭い指摘にどきりとする。

 急に黙ると、修哉は察したように「ピンポン?」と訊いた。


「なんで? そんな風に見えてる?」


 へへっと笑って、大したことなさそうに振る舞う。

 修哉は「バレバレ」といつも通りの落ち着いた口調で言い返した。


「昔から、なんかあるといつも同じような顔してるからわかる」

「お、同じような顔って?」

「なんていうか……魂抜けかけてるみたいな顔」


 そんな指摘をされて、おかしくて噴き出しそうになる。

「それってどんな顔よ!」とツッコむと、「それしか表現のしようがない」とスパっと返されてしまった。

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