不本意ながら、極上社長に娶られることになりました
「みんな最近どーよ、何か面白い話ないのかよ」
追加のお肉をオーダーした篤志がメニューを定位置に戻しながらみんなに話を振る。
修哉は「特には」と呆気なく答え、凛香も「あたしも面白い話はないなー」なんて続く。
「つぐみは?」
「えっ!?」
「面白い話、だって」
横から凛香に話を振られて、つい、いかにも何かありそうな反応を見せてしまった。
「なんだなんだ、何かあったか? 浮かれた話か?」
篤志が茶化すような口調でにやにやと私の顔を見つめてくる。
修哉もお皿の上に落としていた視線をちらりと一瞬だけ私に向けた。
「別に、浮かれた話ではないんだけど……」
「なんだよ、面白い話ならもったいぶんなよ」