Overflow~とある高校生たちの恋愛事情~
付き合えよ。【赤城×青山×角田】
僕、岩崎吾郎が書記を務める生徒会の会長、亀山勤さんは非常に真面目で頭がいい。
勉強だけで生徒会長までのし上がった、まさに努力の人だ。
テストの学年順位で1位を譲ったことはないらしい。
そんな会長を補佐する副会長、白田雪音さんもまた成績優秀、頭脳明晰。
この人は会長とは違って天才型で、勉強も運動も全てトップクラスにできてしまう。
テストの順位は会長に次いで2位。
しかも容姿端麗ときた。
非の打ち所がないとはまさにこのことだ。
そんな2人はいわゆる両片思いだ。
まあ本人達はそんなこと微塵も気づいてなさそうだが。
今日も生徒会室で書類の整理をしていると、いつもの茶番が始まった。
「会長、来週の土曜日、私の家でたこ焼きパーティーでもしませんか?」
「たこ焼き...?」
「ええ、流行ってるじゃないですか。いわゆるタコパですよ。」
「それは女子がやっているだけで男が混じることではないだろう。」
「会長、そうやって男子は女子はと不用意に区別するのはよくありませんよ。それで、どうです?」
「別に構わんが、その、勘違いされないか?」
「何がです?」
会長、まんまと罠にかかった。
これは白田さんがかけた罠だ。
このタコパ、実は僕と会計の赤城さんも誘われており、既に行くと返事をしている。
しかしその情報を伏せることで、2人で行うと錯覚させることで、会長が狼狽える様子を楽しもうとしている。
白田さんは本当に性格が悪い。
「岩崎君、何か言いました?」
「い、いえ、何も。」
なんでわかるんだこの人。
ユリ・ゲラーかよ。
「それで会長、誰に何を勘違いされるのです?」
「いや、なんだ、俺が行くことで、親に何か言われたりなど...」
「両親はその日家にいませんよ?」
「余計問題じゃないか!」
「何が問題なのですか?」
ここまで完全にしらばっくれることが出来る、白田さんの精神力が怖い。
会長はかなり童謡しているのか、そんなに気温が高いわけでもないのに額から光が反射している。
「年頃の女子が、親がいない家に付き合ってもいない男を上げるのは流石にいかんだろ」
「そうですか?私は会長のことを信じているので大丈夫だと思っているのですが。」
「いや、とはいえだな。」
「もしかして会長自身にそういう邪な気持ちがあるということですか?会長がそんな人だとは思いませんでした。幻滅です。」
「違う!白田!それは誤解だ!」
会長どんどん墓穴掘っていくなー。
僕にこういったサディスティックな趣味はないが、慌てふためく会長を見るのが楽しいのは少しわかる。
「会長がそういうつもりならもういいです。会長抜きで、赤城さんと岩崎君と私の3人でしますね。」
「は?」
「せっかく生徒会役員の親睦のためにお誘いしたのに、その長たる会長が邪な気持ちでいられても帰って迷惑ですね。」
「な、なんだよそれ、それならそうと言ってくれたら良かったじゃないか。」
「あら、誰も2人きりでなんて一言も言っていないのに、勝手にそのように邪推したのは会長の方でしょう?」
「それはそうだが、あんな誘い方をされたら勘違いもするだろ。なあ、岩崎。」
「ただいま仕事中でーす。」
思わぬ流れ弾だったがスルーした。
面倒な茶番に付き合いたくない。
「で、会長、どうするのです?」
「何がだ。」
「タコパ来るんですか?邪な気持ちで。」
「行くが邪な気持ちは持たない!一切!断じて!」
「そうですか。わかりました。それでは来週の土曜日、12時にお待ちしてますね。」
会長は自身の勘違いに恥ずかしくなったのか、さっさと帰って行った。
会長が帰った直後、白田さんが小さく呟いた一言を僕は聞き逃さなかった。
「可愛い人。」
いや、もう付き合えよ。
勉強だけで生徒会長までのし上がった、まさに努力の人だ。
テストの学年順位で1位を譲ったことはないらしい。
そんな会長を補佐する副会長、白田雪音さんもまた成績優秀、頭脳明晰。
この人は会長とは違って天才型で、勉強も運動も全てトップクラスにできてしまう。
テストの順位は会長に次いで2位。
しかも容姿端麗ときた。
非の打ち所がないとはまさにこのことだ。
そんな2人はいわゆる両片思いだ。
まあ本人達はそんなこと微塵も気づいてなさそうだが。
今日も生徒会室で書類の整理をしていると、いつもの茶番が始まった。
「会長、来週の土曜日、私の家でたこ焼きパーティーでもしませんか?」
「たこ焼き...?」
「ええ、流行ってるじゃないですか。いわゆるタコパですよ。」
「それは女子がやっているだけで男が混じることではないだろう。」
「会長、そうやって男子は女子はと不用意に区別するのはよくありませんよ。それで、どうです?」
「別に構わんが、その、勘違いされないか?」
「何がです?」
会長、まんまと罠にかかった。
これは白田さんがかけた罠だ。
このタコパ、実は僕と会計の赤城さんも誘われており、既に行くと返事をしている。
しかしその情報を伏せることで、2人で行うと錯覚させることで、会長が狼狽える様子を楽しもうとしている。
白田さんは本当に性格が悪い。
「岩崎君、何か言いました?」
「い、いえ、何も。」
なんでわかるんだこの人。
ユリ・ゲラーかよ。
「それで会長、誰に何を勘違いされるのです?」
「いや、なんだ、俺が行くことで、親に何か言われたりなど...」
「両親はその日家にいませんよ?」
「余計問題じゃないか!」
「何が問題なのですか?」
ここまで完全にしらばっくれることが出来る、白田さんの精神力が怖い。
会長はかなり童謡しているのか、そんなに気温が高いわけでもないのに額から光が反射している。
「年頃の女子が、親がいない家に付き合ってもいない男を上げるのは流石にいかんだろ」
「そうですか?私は会長のことを信じているので大丈夫だと思っているのですが。」
「いや、とはいえだな。」
「もしかして会長自身にそういう邪な気持ちがあるということですか?会長がそんな人だとは思いませんでした。幻滅です。」
「違う!白田!それは誤解だ!」
会長どんどん墓穴掘っていくなー。
僕にこういったサディスティックな趣味はないが、慌てふためく会長を見るのが楽しいのは少しわかる。
「会長がそういうつもりならもういいです。会長抜きで、赤城さんと岩崎君と私の3人でしますね。」
「は?」
「せっかく生徒会役員の親睦のためにお誘いしたのに、その長たる会長が邪な気持ちでいられても帰って迷惑ですね。」
「な、なんだよそれ、それならそうと言ってくれたら良かったじゃないか。」
「あら、誰も2人きりでなんて一言も言っていないのに、勝手にそのように邪推したのは会長の方でしょう?」
「それはそうだが、あんな誘い方をされたら勘違いもするだろ。なあ、岩崎。」
「ただいま仕事中でーす。」
思わぬ流れ弾だったがスルーした。
面倒な茶番に付き合いたくない。
「で、会長、どうするのです?」
「何がだ。」
「タコパ来るんですか?邪な気持ちで。」
「行くが邪な気持ちは持たない!一切!断じて!」
「そうですか。わかりました。それでは来週の土曜日、12時にお待ちしてますね。」
会長は自身の勘違いに恥ずかしくなったのか、さっさと帰って行った。
会長が帰った直後、白田さんが小さく呟いた一言を僕は聞き逃さなかった。
「可愛い人。」
いや、もう付き合えよ。