自由に羽ばたくキミが
そんな仲のいいLIBERA、仕事後も一緒に食事だなんだと過ごす事も多くて。


仕事が遅くなった時には瑞希を預かるという名目で、寮に泊める事もあるし。


実家は遠くはないけれど、夜遅くに1人電車に乗せて帰らせたり瑞希だけ送迎バスを分けるのは気が引ける、と。


メンバー揃って家族に挨拶、そして親公認の健全な外泊権を掴んだLIBERAは今日だって。


「帰りは事務所寄れって言われてたよな?」


「メシやろか、照さん芋娘とどっか行ってんの気付かんかったけどまさかご一緒させられるん?」


「収録巻いたし、時間に余裕あるけどそれなら瑞希連れて俺ん家でピザの方がいいよなー」


芋娘がいたらそれが出来ない、という不満の声。
竜太と聡、もちろんメンバー全員その方がいいと思っての提案だったのに。


「え?あの人の歓迎会みたいのしたくない?絶対面白そう」


晴人は相変わらず。
マイペースだし、興味の持ち方も不思議。


「俺はどっちでも、現場でももう少し打ち解けてた方が仕事が捗るなら早い方がいい気もする」


「腹減った、飯食えればなんでもいい」


晃は人見知りだから、自分以外の誰かが打ち解けてくれればいいと思っての発言。
慣れるまで時間がかかるのは自覚しているし、なるべく相手にもそれが伝われば、現場で感じ悪く思われる事も減るからという一応は配慮。


瑞希は空腹、ただそれだけ。


「んー…まぁいっか、タダ飯ならなんでもな!」


「この時間から飯ってなったら時間的にも酒飲めるんちゃう?瑞希は可哀想やけどなぁ」


俺らは飲むけど、なんてまた可愛がり。


お酒の場に、高校生を連れ出すなんて世間にバレたら不祥事。
しかしそんな事はバレれば、の話ではあるから。


しっかりと対策を取って、いつもなら本人の希望を聞いた上で決められること。


瑞希がその場に残るのか、残らないのか。
残るのなら酔っ払い相手に退屈を凌げるのか。


週刊誌や追っかけに嗅ぎ付けられずに過ごせるお抱えの宴会場だって、しっかりと用意されているから。


どうにでもなるのは間違いない。
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