春の闇に連れ去らレ
今日は豚肉とキャベツともやしのめんつゆ煮だ。ちょっと火が通ったところで止めるのがポイント。
ご飯を盛って、サラダを冷蔵庫から出す。
シュウが再度リビングへ戻ってきた。
「ありました?」
「あった」
気の所為か、昏い顔をしている。緤が携帯を持っていないことはそんなに大事だったのか。確かに連絡がつかないのは大変かもしれないが。
緤がどこにいるのか、誰にもわからないことってあるのか。
ふと疑問に思った。こんな場所に閉じ込められていても、一応毎日学校に行くのにすら送迎がついている。シュウがつけているからだ。