春の闇に連れ去らレ
シュウの言っていたことは正解だった。
「すっかり居着いたな。寄生したって方が合っとるか」
よく分からない料亭に運ばれ、畳の上で正座。
久しぶりの緊張と嫌悪感に吐きそうになっていた。
「なんか返事せんかい」
低い声に、分からないように息を吐く。
「ハイ」
背後に座るシュウは何も言わない。
「二年寄生して、アイツの寝首は掻けそうか? それとも共生してゴキブリにでも成ったか」
二年寄生しても、あたしは緤の寝首どころか指一本すら取ることはできないだろう。
頭を少し上げた。