春の闇に連れ去らレ
てか、それくらい考えて気付けよ。成人済みになったんだから。
と、緤に言えるわけもなく。
「だから何だよ。お前、俺のなんだろ」
「そう、ですね」
「俺が持って帰って悪いことなんてあるか」
横暴だ。暴君だ。傲慢だ。
あの男を前に持論を展開したあたしだけれど、何故か緤に反論はできなかった。
「そーいや、この家にいる時、緤さんの話一回もしてないな、絲ちゃん」
「あ?」
「緤さんは頭からやっと絲ちゃんの居場所知ったのになー」
麻が取り込んだ洗濯物を畳みながら言った。煽るつもりは無かったと思うが、完全に煽っている。