春の闇に連れ去らレ
職質されませんように、と願いながら助手席へ座る。
「あー寿司でも良いな。寿司食いに行くか」
途中の道で寿司チェーン店を目にした緤がそんなことを口にする。
「いや、家にシュウさんたち居ますし」
「来ない奴は放っときゃ良い」
「牛すじ買って帰りましょうよ……」
麻の酒蒸しは兎も角、牛すじを買って帰らねば殺されかねない。
とりあえず緤を宥めてデパ地下へと向かう。
最初に緤の望む刺し身を最初に、次に牛すじ、最後に麻のはまぐりを買う。
他にもいくつかつまみを集めた。
ふらふらしていた緤がいつの間にか荷物持ちをしてくれていて感動する。