私、可愛がられてるんですか!?
「どうしたの!いきなり拝み出して。」
「私の女神だから」
「朝から怖いから!」
「望様しかおりません。」
「もう、教室行くよ!」
そう言うと望は上履きに履き替え4階にある教室へ
向かう。

「あ!由奈昨日、携帯はあったの?」



ー ズキッ。


そうだ、結局返されてなかった。


昨日あのまま放心状態になった私を彼は置き去りにして帰ってしまったのである。

でも内緒の話だからさすがの望にも言えない。



「あったよ!もう4階往復するのは懲り懲りだよ〜」

「良かった、昨日連絡したのに既読つかなかったから心配してさ!」

「あ、そうそう!疲れてそのまま寝っちゃったんだよね。あはは、」

私は必死に誤魔化した。まさか連絡してきてただなんて。


「なるほどね〜。体育あったし疲れるもんね、」

「うんうんうん!!」
私は全力で首を縦に振った。



4階に着いた私たちは教室へ向かう、その時目の前から聞き覚えのあるあの声がした。



「佐野様〜!おはようございます!」
「キャー!」
「今日もお美しい!」

女の子たちの黄色い歓声が廊下全方位に響いた。


< 6 / 9 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop