本気になっても良いですか?
抱き締めたままいつもより低い声を出したせいか紗愛がビクッと身体を震わせる

「紗愛、悪かった」
優しい声色に変えて頭を撫でる

悠「ちょっと俺は忙しいからまた来るな」
そう言うと早足に病室を出ていった悠聖

逃げやがったな
それとも、紗愛に口止めされてんのか?

紗「東雲さん、ごめんなさい。迷惑だったら私...家に戻りますから」

紗愛が心配そうに俺を見上げる

...何してんだ、俺

「身体が心配なだけだ。一緒に帰ってゆっくりしような?」
なるべく優しく紗愛に言い聞かせる

今にも泣きそうな紗愛がたまらなく愛しい


紗「ふふっ。分かりました」

可愛く笑って泣きそうな表情から明るくなった紗愛に見とれる
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