オオカミ社長と蜜夜同居~獣な彼の激しい愛には逆らえない~
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一慶が帰宅したのは午後七時を回った頃だった。宣言していたとおり、大きな袋にテイクアウトの料理を詰めて。
会社近くのおいしいと評判のイタリアンレストランで調達してきたらしく、袋から取り出すとすぐにいい香りがダイニングに立ち込めた。
「飲み物でも準備するね」
「俺がやるから美紅は座ってろ」
無理やり座らされ、次々と料理が並んでいく。
トマトクリームのパスタに肉感たっぷりのボロネーゼ、ローストビーフのサラダにマルゲリータなど、どれも目移りするほどおいしそうだ。
フルボディのワインまでグラスに注がれ、至れり尽くせりである。
「いっくん、なんかごめんね。こんなにいろいろ」
「謝らせようと思ってやってるわけじゃないから気にするな」
「ありがとう」
優しく笑いかけられてなんともいえず恥ずかしいのは、やはり昨夜の一件のせいだろう。