オオカミ社長と蜜夜同居~獣な彼の激しい愛には逆らえない~
「いっくん、先にお風呂どうぞ。私、ゴミとか片づけておくから」
「そんな足して無理するな。俺がやっておくから美紅から入れ」
「このくらい平気」
「いいから、美紅は風呂」
ぎこちなさ満点で押し問答をし、結局美紅が折れてバスルームへ直行。片づけを一慶に託した。
一慶の気持ちを聞かされて以降、どうにもこうにも意識してかなわない。
お互いに勢いで想いを伝え合ったはいいが、その後どう振る舞えばいいのかわからずに困っている。長すぎる片想いの置きみやげだ。
順番にお風呂に入り、リビングで包帯と格闘していると、タオルで髪を拭いながら一慶が出てきた。
「やろうか?」
昨夜、手当してくれたときにも手際がよかったから、そうしてもらえると助かる。
「よろしくお願いします」
「ずいぶんとしおらしいな」
一慶はクククと笑いながら美紅の前にひざまずいた。