オオカミ社長と蜜夜同居~獣な彼の激しい愛には逆らえない~
息だって止まりそうだ。
「そんなんじゃ、先に進めないだろ」
「先って……!」
一瞬のうちにいろいろな想像が頭を駆け巡る。それはもう、未経験の美紅には刺激が強すぎる想像だ。
しかもその相手が一慶だというのだから。顔は真っ赤になるし、心拍は測定不能なほどに高速で刻む。
「俺はもう遠慮しない。やっと美紅を捕まえたんだ」
一慶に耳もとで囁かれ、背筋に甘い痺れが走った。一慶が自分を好きでいてくれた事実を改めて実感し、胸の高鳴りが半端ではない。
そっと引き剥がされ、視線が絡まる。美紅が一方的に見ていたことはあっても、こんなにも見つめ合うのははじめてだ。
「美紅、絶対に離さないぞ。覚悟しろ」
返事をするより早く唇が重なる。独占的な言葉と裏腹に、そっと擦り合せるキスに一慶の優しさを感じて胸が震える。思わず一慶のパジャマをぎゅっと掴むと、一慶はそこに指を絡めてきた。