オオカミ社長と蜜夜同居~獣な彼の激しい愛には逆らえない~
ところが、丸く見開いた一慶の瞳がさらに熱っぽくなる。
「それはじつに喜ばしいね」
うれしそうに顔を綻ばせ、いよいよ一慶の部屋に足を踏み入れた。
「あ、ちょっ、いっくん、今のは抗議なんだからね? いきなり私のはじめてのキスを奪ったんだからっ」
「心配しなくても体ごと奪うから」
妖しく笑う目もとにドキッとさせられる。おかげでそれ以上、言い返せなくなった。
そもそも抗議自体、照れ隠しのようなものだ。広いベッドに下ろされ、一慶に組み敷かれた。
両手を万歳した状態で拘束される。逸らすことも叶わないくらいに間近で合った視線が、美紅の身動きを封じ込めた。
「いっくん、ズルイ。どうしてそんなに余裕なの?」
美紅のほうは心臓ももちそうにないくらいに緊張しているのに。
一慶なら女性の扱いも、こういった状況も慣れていて当然だろう。でも、それがちょっと悔しくもある。