オオカミ社長と蜜夜同居~獣な彼の激しい愛には逆らえない~
恥ずかしくてたまらず、くるりと体勢を変えて一慶に背を向けた。
自分でも驚いているのだ。痛いという先入観で身構えていたが、それは最初だけ。そこまでの過程で一慶が丹念に解してくれたおかげなのだろうが、それがまた美紅の顔を真っ赤にさせる。
今も下腹部に鈍痛はあるものの、一慶とひとつになれた多幸感で胸はいっぱいだ
「照れなくてもいいだろ。すごくかわいかったんだから」
「あぁもう本当にやめて」
聞くに堪えず、美紅は両耳を塞いだ。
その手を外し、一慶がそこに唇を寄せる。
「愛してる」
不意打ちにされた愛の囁きが、美紅の心臓を撃ち抜いた気がした。一瞬息が止まり、呼吸の仕方を忘れる。
「絶対に離さないからな。覚悟しろよ」
ときめきごとうしろから抱きしめられた。
幸せをあとからあとから上乗せされ、抱えきれないほどの喜びがあふれる。それでももっとと欲するのは、十何年も秘めていた恋心が飢えをまだ覚えているためなのかもしれない。