オオカミ社長と蜜夜同居~獣な彼の激しい愛には逆らえない~
そのお客さんといい佐和子といい、こんなに早く手ごたえがあるとは思いもしなかった。
「美紅はどれがいい? なにか気に入ったものがあれば買ってあげる」
ネットを介して自作のアクセサリーを買っても仕方がない。
「あ、ううん、私なら大丈夫」
美紅はドキドキしながら遠慮した。〝私が作ってるの〟と告白するタイミングをなんとなく逸する。佐和子は「そう? かわいいのに」と少し残念そうだ。
「ところで、一慶とはその後どう?」
「えっ!?」
美紅はテーブルから飛び退くように体をビクッとさせた。突然の話題転換が一慶に及び、平静ではいられない。
「やだ、なんでそんなに驚くの?」
紀美加が気づいていたのだ。佐和子が知らないわけはない。