オオカミ社長と蜜夜同居~獣な彼の激しい愛には逆らえない~
佐和子の声が静かな病室内に響き渡る。四人部屋のため、美紅以外にも患者がいる。
すぐにそれを思い出した佐和子は、急いで自分の口を押さえた。
美紅は、一慶のアドバイスに従ってサイトに手を加えたら急激に売上が伸びて、生産が追いつかずに無理をしたと、ここ数週間の話を包み隠さず話した。
「それならそうと言ってくれればよかったのに。美紅にあんな才能があるなんて知らなかった」
「才能なんてやだな、おねえちゃん」
「なに言ってるの。素晴らしい技術じゃないの。一慶もそう思うでしょ?」
佐和子に話を振られた一慶も「ああ」と同意する。
「あ、それなら、クリエーニュにも置いたらどう? ネット販売だけじゃなくて、実際に手に取って見られる場所もあったほうがいいんじゃない?」
「えっ……いいの?」
「もちろん。逆にこちらからお願いしたいくらい」
美紅にとっては願ったり叶ったり。佐和子に認められた作品をクリエーニュで販売できるなんて夢みたいだ。
「あ、でも……」