オオカミ社長と蜜夜同居~獣な彼の激しい愛には逆らえない~
誰よりも、なによりも幸せなひととき
三ヶ月後――。
美紅と一慶は都内のチャペルで結婚式を挙げ、晴れて夫婦となった。
体のラインにフィットしたタイトなシルエットに、美しいドレープが幾重にも重なったウエディングドレス。ヒップラインに大きなリボンをあしらい、キュートさも兼ね備えたそれは、一慶が美紅のためだけにデザインしたものだ。
できるだけ長時間着ていたいため披露宴ではお色直しをせず、そのドレス一着で通した。
控え室へ戻ってきても、まだ脱ぐのが忍びない。
美紅は大きな鏡の前で角度を変えては、自分の姿に見入っていた。いくら見ていても飽きない。
さんざん写真を撮ってもらったが、実物とはどうしたって違うのだ。
「そろそろいかがですか?」
着付けのスタッフにも都合があるだろう。これで三度目の催促だ。
「……はい」
いつまでも着たままではいられない。脱ぐのを手伝ってもらおうと「お願いします」と、美紅もいよいよ脱ぐのを決意した。
「では失礼します」