オオカミ社長と蜜夜同居~獣な彼の激しい愛には逆らえない~
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翌日、美紅のベッドはやって来た家具屋のトラックに載せられ、一慶のマンションを目指す。
昨日の午後から今朝までにまとめた自分の荷物をキャリーバッグと段ボールいくつかに詰め、美紅はタクシーで迎えにきた一慶とトラックを先導した。
真新しい家具が配置されると、ようやく部屋が呼吸をはじめたように感じる。一慶の選んだものはどれも華美な装飾のない落ち着いた色合いのシックなもので、センスの良さが光っている。
さすがファッションデザイナーだよね。
そう思いながら、三人掛けの革張りソファにこっそり座ってみる。
わ、座り心地もいい。
滑らかな革の感触をたしかめつつお尻を弾ませていると、配送のドライバーを見送った一慶が戻ってきた。
「子どもか」
美紅を見てクククと笑う。呆れたような目が悔しい。
「だって、座り心地がいいんだもん」
「知ってる。だからそれにしたんだ」