オオカミ社長と蜜夜同居~獣な彼の激しい愛には逆らえない~


◇◇◇◇◇

テーブルに置いたスカイブルートパーズの石に14kgfのピアスの外枠をかぶせる。カチッと音が鳴ったのを確認してから、平ヤットコで外枠の爪を丁寧に押さえていく。


「よし、できた」


ピアスの完成だ。

美紅の趣味はハンドメイドのアクセサリー作り。ピアスやリング、ネックレスなどが主なものだ。
まだはじめて一年足らずだが、もともと手先が器用なほうで細かな作業は得意である。

夕食を作った後、帰りが遅くなる一慶を待たずにひとりで食べ、自室にこもってひたすら制作を続ける。カラフルな天然石は見ているだけでも癒しだ。

ラグの上にペタンと座ったまま、美紅は完成したピアスをライトにかざした。
なかなかいい出来である。


「美紅、入るぞ」


ノックもなしにドアが開かれ、そこから一慶が顔を覗かせた。熱中していたせいか玄関が開く音も足音もなにも聞こえなかったため、「キャッ」と悲鳴が漏れる。
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