オオカミ社長と蜜夜同居~獣な彼の激しい愛には逆らえない~
「なんだよ、そんな声出すなよ。こっちがびっくりする」
それを言うなら美紅のほうだ。ノックくらいしてほしい。着替えていたらどうするのだ。
咄嗟にテーブルに広げていたアクセサリーのパーツや道具を隠そうとしたが、一瞬でどうにかなるものではない。
「それ、なに?」
「あ、えっとこれは」
「ハンドメイド?」
焦る美紅そっちのけで一慶がずかずかと部屋に踏み込む。
テーブルの上につっぷし両腕を広げる美紅の手をすり抜け、一慶は完成したばかりのピアスを手に取った。
「へぇ、器用だな。こんなにちっちゃいのに。昔からやってたっけ?」
まじまじと見つめて、その眼差しを美紅に注いだ。
「はじめたのはここ一年だけど……。あ、あのっ、いっくん、おねえちゃんには絶対に言わないで」
「なんで」
「恥ずかしいから」