オオカミ社長と蜜夜同居~獣な彼の激しい愛には逆らえない~
キッチンへ行くと、一慶はレンジでかぼちゃのそぼろあんをあたためていた。レンジの扉から中をじっと眺めている背中を見て、平静ではいられない。
大きく揺れる心を立てなおし、なんとか声をかける。
「あとは私がやるね」
カジキの照り焼きと味噌汁もあたためなければならない。
振り返った一慶に目を合わせられないまま、味噌汁をIHクッキングヒーターにかける。
「サンキュ」
美紅の背後を通っていくときに、キスの後にしたように頭をポンと撫でる。それと同時に美紅の心臓までポンと弾んだ。
あたため終えた料理をダイニングテーブルに並べ、自室に戻ろうとしたが一慶に引き留められる。
「もう少し付き合ってくれてもいいんじゃないか?」
ひとりにするなと言う。
思わせぶりなキスをしておいて、それはないだろう。