オオカミ社長と蜜夜同居~獣な彼の激しい愛には逆らえない~
心の中で反発する美紅だったが、逆えずに一慶の向かいに腰を下ろした。真意を掴みたい気持ちもあったのだ。
「やっぱりうまいな」
いただきますと手を合わせ、早速カジキを口に運んだ一慶はいつもとまったく変わらない。恋人でもない相手にキスをしたとは思えない態度だ。
なんでキスしたの? さっきのはなに?
そう問いただしたい気持ちと裏腹に、真一文字に結んだ唇は開かない。きつく閉じた貝のよう。聞くのが怖いせいだろう。
「さっきのあれ、冗談抜きで上手だな」
「そ、そうかな」
睨むようにしてじっと一慶を見つめていた美紅は、その表情をぱっと解く。褒められるとは思いもしなかった。
「どこかで売ってるのか?」
「あまりたくさんじゃないけど、ネット販売で少しだけ」
最近はハンドメイドを売るプラットホームが豊富で、クリエイターもたくさんいる。