オオカミ社長と蜜夜同居~獣な彼の激しい愛には逆らえない~
「こちらが今朝届いた内装のサンプリングです」
プロジェクターに映し出されたのは、空間デザイン会社がこちらの要望をもとに作成してきた店舗の内装サンプルだ。
壁面にランダムに金属素材を配したファッショナブルでクールな内装は、こちらの提示した要望通り。もともと輸入雑貨店があった場所だが、雑多なイメージを一新し、どこか背筋の伸びるような凛とした空気感を目指す。
「イメージ通りだな」
「ですね。このまま進めても問題ないかと思います」
一慶の言葉に、参加しているスタッフたちもうなずいた。
「あとは実際の現場を細かにチェックしながら進めていこうか」
「承知いたしました。では、先方にもそのように伝えておきます」
ミーティングが終わり、みんながそれぞれに散っていく。
先頭でミーティングスペースを出た一慶は、あくびを噛み殺しながら社長室へ足を向けた。
「社長、お疲れですか?」