オオカミ社長と蜜夜同居~獣な彼の激しい愛には逆らえない~
「この車、どうしたの? レンタカー?」
「買ったんだ。今日、納車されたばかり」
「そうなんだ」
どうりでピカピカなわけだ。車内も真新しい匂いがする。
「すごい高級車だね」
車に疎いため車種はわからないが、見た目やレザー仕様の内装から高そうなのは伝わってくる。
「だけど、おねえちゃんも一緒じゃなくて残念だよね」
きっと一慶はがっかりしただろう。
結婚が決まっているとはいえ、そう簡単に割り切れるものでないのはよくわかる。美紅だって、一慶の気持ちが佐和子に向いているのを知っていても、好きな想いは止められないから。それをなんとか理性で羽交い絞めにして、暴れないように閉じ込めているだけだ。
「俺は美紅がいればいいけど」
「や、やだな。変なこと言わないでよ」
ドキッとしたのを隠して毒づく。
「そんなつもりはない」