オオカミ社長と蜜夜同居~獣な彼の激しい愛には逆らえない~
あまりじっくり見つめないでほしい。心の中まで読まれそうだ。
「ふたりともぎこちなさすぎる。佐和子も心配してたぞ。同居は失敗だったかなって」
「おねえちゃんが?」
まったく気にしていない様子だったのにと思いつつ佐和子のほうに視線を向けると、ロッキンチェアを揺らしながら、うとうとしはじめていた。そこに一慶が近づき、そっと毛布を掛ける。
絶対に報われない恋心を同じように抱えた一慶に気持ちがリンクして、胃の奥が詰まるように苦しい。
いっそふたりがくっついてくれたほうが、あきらめもついたような気がする。好きな人が幸せなら、それでよかった。
「……同居しないほうがよかったのかもしれない」
「これはこれは……よほど重症だね」
晴臣が困ったように笑う。
「なんで美紅の気持ちに気づかないんだろうね、アイツは」
「えっ……?」
晴臣がなにげなく放ったひと言が、美紅の胸を突く。