オオカミ社長と蜜夜同居~獣な彼の激しい愛には逆らえない~
「バカ! なにやってんだよ」
頼むから、これ以上心配をかけさせないでくれ。
「……ごめんなさい」
よほど怖かったに違いない。美紅は、ずっと避けてきたというのに一慶にぎゅっとしがみついてきた。
その背中を優しくさすり、美紅を落ち着かせる。冷え切った体は小刻みに震えていた。
「……もういっくんに会えないんじゃないかと思った」
「ったく、ほんとにお前は……」
見つけられた安心感から深いため息が漏れる。
「これだから、いっくんに妹としてしか見てもらえないんだよね」
「こんなに手のかかる妹はいらない」
そもそも美紅を妹とも思っていない。
「……だよね」
美紅は力なくふっと笑みをこぼした。いつもの美紅だったら〝ひどい!〟と言い返しただろう。