何にもない


「学食集合って言ったのそっちじゃん。」


学食で待ってても来ないし、
携帯に連絡しても反応無し。

こういうときは必ず君はここに居る。


「お〜い、起きろ〜。」

『ん…。』


寝起きが悪いのも小さい頃から。
教科書を枕にするのも小さい頃から。
右手にあるペンダコも小さい頃から。

いつも早口なのに寝ている時は
ゆっくり呼吸をするのも小さい頃から。



「幼なじみがわざわざお迎えに来たよ。」

『……え、まさか私寝てた?』

「ガッツリ寝てたよ。人との約束すっぽかしてね。」

『マジですまん!!』

「許さん。」

『この通りだ!!』

「何回目だとお思いで?」

『何でも言うこと聞きます!!』

「何でも??」

『うん!なんでも!!あ、100万円貸してとかは無理だよ?!』


……この時に幼なじみをやめよう。
そう言えればいいのに。


「じゃあ、ジュース1本で。」

『喜んでーーー!!』

「ほら、早く学食いこ。」

『うん!行こ行こ〜!』


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