虹の彼方へ~幸せの再会~
「で?奈々の部屋がそのままなのは、分譲だからか?」

「ううん。あのね。あのマンションのオーナーが私なの」

あまりの衝撃の告白に思考が止まる。

「奈々。驚きすぎて…」

蓮の反応が想定内の奈々は、話を続ける。

「出来れば私の部屋に引っ越してもらえると嬉しいんだけど、無理かな?」

「…」

「嫌?」奈々は不安げに聞く。

「俺は奈々と一緒にいれるなら、どこでもいいんだ。この島でもいい位だが仕事があるから、今のマンション内なら言うことない」

「じゃあ、鍵を預けるから見てから決めて。もし良かったらいいタイミングで引っ越ししてもらえる?柳田さんに言っとく」

「わかった」

奈々は鍵を渡した。
「蓮、奥のエレベーターに乗ってね」
この時、自分の部屋の事はあえて言わなかった。自分の目で見てもらおうと。

「??」

この時蓮は全く気づかなかった。どちらの棟かも聞かず階数も聞かなかった事に。

(なぜ奥のエレベーター?)とは思ったのだが…










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