消えた卒業式とヒーローの叫び
私の目論みはおおよそ叶った。日彩は傷ついていたと思う。今までに見たことも無いような悲しい表情を浮かべ、次第にそれは怒りにシフトしていた。
「お姉ちゃんが前向きに捉えたら良いだけじゃん! そんなの簡単に変えられるじゃん!」
日彩は私の数倍以上に声を張り上げる。悲しみと、苦しみと、怒りの混ざった、綺麗に通る声だった。
簡単に変えられる? 変えられるわけがない。変われるものなら今すぐ変わりたい。こんな自分、やめてしまいたい。
そう反論しようとするも、彼女の口は止まらなかった。