思い出と未練と
こんなウジウジしている自分が嫌で

何がなんでも前を向きたくて

会える最後の日に笑顔で直接サヨナラを言うことを決めて無理やりにでも笑った。


それからはみんなに心配かけないようになるべく普段通り振る舞った。


友達がサプライズをしてくれたり
こんなふうに話すのも最後だねって話したり

先生が受験を鼓舞するような手紙をくれたりするから
だんだん友達や先生と離れるという寂しさも強くなってきて

ほんの少しは裕稀への気持ちを紛らわすことができた。


けれど夜はやっぱり余計なことを考えてしまって泣く時もあった。


それでも自分に大丈夫って言い聞かせて
前を向いて別れることに対しての心の準備を進めていった。

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