暁の夕暮れ ~春の章~
帰り道
【菜央side】
帰りの電車の中。
あれ以降、ろくな話はしていない。
なんか…気まずいな…
「あのさ、ことね。…ことね?」
俺の隣に座ることねに声をかけるが、返答は返ってこない。
「…疲れて寝ちゃったのかな…?」
俺はクスッ、と笑う。
すると、俺の肩に何かが乗った。
「っ!だっ…あ…」
いや、不意討ふいうちはないって…ビビった…
「これ、無意識だよね…?」
意識してやってたら、相当タチ悪いけど。
なんか…周りから見たら俺達、カレカノに見えるんじゃ…?
まぁ、違うけど(笑)
いわゆる、肩ズンってやつ?