公開告白される君と3日間の旅 ~夏休みは境界

『機密制定の晩餐』それを最後と呼ぶ

主よ、
私に とっては 未だ 懐かしくも
苦い 思い出なのです。
あの
浸したパンを 渡された瞬間。

ああ、そうなのか とだけ
胸に 飛来した 感情は
未だ名前が わかりません。

それは
どんなに 生まれても
忘れられない でしょう。



『シオンの丘の上の階』
夕食の場で、
主は、
使徒の 1人が 裏切る事を
告げ、
主の 苦難に ここにいる使徒は
この後 逃げ去ると
突然 予言した。

弟子使徒達が
騒然となる中、
主は
ただ
祈りを 捧げ、

これから 示す
新しい 契約を
覚えている ようにと

パンを「自分の聖体」、
葡萄酒を「自分の聖血」として

12の使徒達に与えた。

それは、
全人類の 依代となりし
主の 受難と、
肉と血を いかに
与えられたかを
決して 忘却無きよう との事。

そして
浸したパンを 渡した。
このモノが 裏切り者と。


夕食の後、

主は、
その身に これから起きる 光景を
脳内に 見据え
「身を低くされた神」を歌う。

何も 知らぬ 弟子使徒達に
この 深淵なる 教えを

食べながらにして、
歩きながらにして

一挙手一投足 最後まで 大事なる
教えを 捧げながら。

オリーブ山の 麓
断罪舞台となる
『ゲッセマネ』に 主は向かった。


前日の
晩餐は
絵画にまでなって 残る。

が、
その後の 事は
あまり 知られないのでは
ないだろうか。

『機密制定の 晩餐』の後
待ち 受ける のは
『断罪捕縛』の接吻 であります。



主は
『ゲッセマネ』に来て、
弟子使徒達に

「我 祈る間、座っていなさい。
我が魂。死ぬ程の深悲である。
故に 留まり、見張りなさい。」

と告げ、地面に 伏して 祈る。

「全能で あられる 神よ、
この杯を
我より除き たまえ。
我の 望む事では なく、
神の 望む事を。」

では、
『この杯』とは 如何に?

それは、別して
無残な死を 味わうという 杯。

心に
陰謀、悪意、横暴、怒り、蔑み、罵り、拒絶、欺き、偽善、邪悪、
体に
打撲、裂傷、刺傷、貫通、破裂

悪しきモノ 全てを受ける。
濃く 凝縮された 受難の 器。杯。

それは、総じては
神の怒りの杯 でもある。

神の
『罪』に 対する 『怒り』を、
人の罪を、

主の体を 依代にして
贄とし
裁きを 受ける 器。杯。

故に
想像を絶する
真の死の恐怖に

主は苦しみ 悶えた。

神に
存在として 造られた者が、
一切の 存在を
断絶される、獄を受ける苦しみ。

これが
十字架刑。

主を
この後 襲うは、 尋常でない事象。
それを
身に受入れる、 孤独な戦いを
主は、理解し 強いられた のだ。

いわんや 試練いか程か?

答えて曰く
天から使いが現われ、
主を 彼を勇めるが 程に。

故に
主は、熱烈に 祈るのみ。

苦しみは
毛穴からの 汗が 大粒の 血となり
地面が ぽつり染まる。

弟子使徒達は、
理解できず 浮かれ 故に
見張りを 頼まれたに 関わらず
眠いり、
主に 叱責を 3度される。

以下の様に。

「誘惑に
陥らなきよう、祈りたまえ。」

「見張り、
祈りたまえ。肉体は 弱い。」

しかし、使徒達の眼は 開かれぬ。

「ならば 眠り、休みたまえ。
時は来た。
見よ、人の子は 罪人の手に
売られる。立ちて 行こう。

見よ、我を売る者、近づけり」

刹那
捕縛の兵が 入り乱れ
逃げ惑う、弟子使徒達の 乱闘。

それを 制して
主は 進んで
その体を 兵に 示した。

裏切りモノの
接吻を、進んで 受け入れた のだ。

主の 天への 叫び。

「今、我が魂 騒ぐ!この為に
我は至った!
神よ、名の 栄光の 掲示を!」

すると
天は呼応し、
「その 栄光を 現わし。
再び 栄光を 現さん!」雷鳴す。

主、
「この 神の声、我でなく
人類が為に来た! 今こそ、
裁きの時!

世の 支配者は
投げ 出されよう。

我が 世から
挙げられるなら、

全ての 人を
我へ 引き 寄せるだろう!」

死の形で 持っての 宣言。

「神よ、 我が願い では
無く、 御心のままに」

続き 主は
敢然と 死へ 向うが 為に
神に 身を 委ね 受けた。

「もしできるならば」との

主の祈りに、
答えは 無言。
無言と 言う 祈りの答である。

そして、その祈りは 突き抜けた。

主は、弱く、汚れて、無力、恥
に見えるだろうが、それでも

人類の 身代わりと
なされた 器、モノ。

敵を 打ち砕く勝利が、
『ゲッセマネ』の祈りにて
与えられた のだ。

晩餐の場に おいて
ゲッセマネで、
起こる未来を 知るは どれ程
いたか?

それは、
主と 裏切り者
光と闇の
2人 であった。

私は 言いたい。
主よ、
この世に、肉と血を
与えられ 生まれ、
心を尽くして、感謝します。
例え
生まれないほうが、よかった程の
罪のモノであったとしても。

そして、今世紀
主と共に また、あらん事に。


主が、
血の汗を 流し 祈りを 捧げ
裏切りの 接吻の受ける 中
兵に 捉えられた 場所が
『ゲッセマネ』であり、

世界で 今も ベストセラーで
あり 続ける 本のは、
『聖書』である。という話。

さあ、ハレルヤ。

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