公開告白される君と3日間の旅 ~夏休みは境界
桟橋ランウェイ
「ユリ!そこの手すり、こわれてるから、さわんなよ。」
ユキノジョウと ユリヤは、
海に出て 浮きわで遊んで
いたけど、もぐってみると
思ってたより クラゲが 出てたから
あわてて、浜に戻った。
「お盆だもん、クラゲいたね」
ユリヤの ことばに、
それでも この海キレイだなって
思いながら
クラゲにさされるのは
かんべんだぞと、
「やっぱ 夏休みも 終わるもんな」
と 答えた。
ユキノジョウは サンバシの床を
よく 見ながら歩く。
穴が空いてたら
ユリヤが はまるといけない。
ボーッとしてるからな ユリは。
『ちょっと!!副女さん!
何すんの!服びしょ濡れ!!』
浜から、
ユキノジョウの母親の叫ぶのが
見えた。
『頭!冷やしなさいよ!2度と
そんな事、言うなってのよ!!』
そんな ヤジで、
サンバシから、
ユキノジョウと ユリヤは
さけびあう 親達を
見る。
「ユキくん、なんか お母さんたち
水のかけあいしてるね。」
「だな。暑いし、ダレもいねーし
親でも 海って遊べるのな。」
おたがい、見合わせてみるけど
サンバシは、長くて
ズンズン 歩いて
先まで進むと、そんな 母親たちの
声も とぎれてくる。
『何で、よりによって、ここで』
副女さんが 何かいいながら
プラコップで、海の水を
ユキノジョウの母親に
かけて、
ユキノジョウの母親も
同じように プラコップで
水を飛ばしてる。
それでも、遠いから
2人とも 人ごとで、
あせる感じも、出ない。
「なんか、おこってるみたい」
後ろの浜で、
海の水を ガバカバ かけあう
母親達を
ユリヤが、見る。
「大丈夫だろ。
ユリ、ここ、床ぬけてる」
ユキノジョウは、穴があいた
サンバシを 指さして
ユリヤの手を 引っぱった。
海は、カモメも 飛んでない。
おだやかだ。
「うん。アコちゃん、
来たら 良かったのにね。」
ユキノジョウは、そのまま
ユリヤと手をつないで サンバシの
真ん中まで来た。
「アコは、アコで 遊んでるって」
アイツは、どこでもすぐに友達
出来るからな。
母親に似てるんだよ。
穴を2人でさけて、
ゲートみたいな 所に ついた。
真ん中は、少し高くなって、
そこに
白い鉄のゲートが ついている。
なぜか 山形に サンバシが
作られてたから、
さっきまで
ヤミに ゆるーい、
のぼり坂だったのだ。
白い ゲートには、
カンバンが ついていて、
『welcome』って
風にゆれている。
ユキノジョウと、ユリヤは
息をついて、
後ろの浜を
ふりかえって 見た。
白いテラスハウスの並びは
ここまでくると、
一見、無人には見えないくらい、
空と 緑に 白く 映えてた。
日本じゃない みたいだぞ。
いかにも 夏のリゾートっぽい。
そんな ところで、
母親達は、
水の かけあいと、
いい合いを していて。
『どいつも、こいつも、いいかげんにしろっ!クソがっー』
ときたま
副女さんの デカイ声が した。
「なんか、いつもとちがうくね?
ユリんとこの 母さん。」
さすがに、あれは、どーした?
と、
「「あ」」2人が 止まる。
「あれ、母さんキレたな。」
ユキノジョウの母親が
副女さんに、砂をかけたのが
見えた。
「ドロ試合だね。」
いい大人が、砂と水をかけあい
している。
ドラマで、『フリンのシュラバ』
ってやつみたいだけど。
なんだか、へんな
夢みたいに ユキノジョウは
見ていた。
「ユキくん、くれるモノ、何?」
ふと、
ユリヤが 浜で
ユキノジョウが いったのを
思い出したのだろう。
「うん。忘れてた。じゃ、
サンバシのはじっこで、やる」
いつもの 親達とちがうのに、
ボーッとしていた、
ユキノジョウと ユリヤは
また、サンバシを歩していく。
白で 太陽を てり返してるけど、
サンダルの足が サンバシの熱で
あつくなってきた。
「ユリ、足あつくね?海に足つけるか?」
山形に 真ん中が高くなった
サンバシも、ゲートを
こえると、
だんだん 低くなる。
海がみちると、半分は
海ん中になるのかもしれない。
「大丈夫。ね、船?」
ユリヤが、ユキノジョウに
返事をして、前を見る。
ユキノジョウも、
サンバシの床を気にしていた
目を 海に向けた。
「船?」
サンバシの1番先に
とうとう来た 2人は、
波のまだ向こうに いる
船を 見つける。
ここまで来たら、
もう 浜の声は 聞こえない。
サンバシは、海近くまで
低くなっている。
サンダルの足を おたがい、
手をつないで 支えて、
海に冷す。
「そだ、これ。ユリにやるよ。」
ユキノジョウは、
海水パンツのポケットの
ジッパーを 開けて
ユリヤの手に 中のモノを
入れこんだ。
ユリヤが、静かに
手を開けると
光るとうめいの 小さいモノが
ある。
「ガラスのくつ?」
「うん。水着買ったとこで、
お土産 うってたやつ。ユリに
やろって買っといた。やるよ」
「かわいい。ユキくん、
ありがとう。」
サンバシに 立ったまま
ユリヤが、ユキノジョウに
頭をさげる。
「あ、いいよ。別に。いつも
いっしょにいるから、たまには
だって。これからも、よろしく」
いっしゅん、
ユリヤが 目を丸くした気が
ユキノジョウにはした。
「ユキくん。
半年したら 中学だよ、、」
「じゃ、オレ、中学いったら
また、よろしくな、、」
そう笑うユキノジョウに、
ユリヤは 手のひらの
モノを 太陽に かざした。
とたんに、太陽の光を 反射させて
波に 虹をつくって、
2人が 声をあげた時。
遠くにあった
船が すぐそこに来ていたのに
気がついた。
そして、
ユキノジョウが 思ってた
顔が、船に見える。
「あ、ハジメさん?
タイミング悪りーよ。」
白しけメン
ハジメが
ヒラヒラと、手をふるのが
みえた。
同時に、
サンバシの 向こうに、
ユキノジョウとユリヤの
他に ゆれる感じが 伝わる。
ハジメが 船から
さけぶのが 見えて
ユキノジョウは
ユリヤの手を 高く見せた。
どうだよ!ちゃんと
キラキラするもの わたしたぞ!
ユキノジョウが
ハジメに そうサンバシから
さけぼうとしたら、
『コラーーーーーーーーー!!』
『あんた達ーー、へんなのに
ついていっちゃダメーーー!!』
後ろから、
ものすごい 顔した
副女さんと、ユキノジョウの母親が つかみかかってくる
いきおいで 走ってきた。
さすが 運動会で
『ほごしゃリレー』で
毎年 走るだけあるよ、
あんたら。
なら、
行きの船も 走れたぞ!!
ユキノジョウと ユリヤは、
海に出て 浮きわで遊んで
いたけど、もぐってみると
思ってたより クラゲが 出てたから
あわてて、浜に戻った。
「お盆だもん、クラゲいたね」
ユリヤの ことばに、
それでも この海キレイだなって
思いながら
クラゲにさされるのは
かんべんだぞと、
「やっぱ 夏休みも 終わるもんな」
と 答えた。
ユキノジョウは サンバシの床を
よく 見ながら歩く。
穴が空いてたら
ユリヤが はまるといけない。
ボーッとしてるからな ユリは。
『ちょっと!!副女さん!
何すんの!服びしょ濡れ!!』
浜から、
ユキノジョウの母親の叫ぶのが
見えた。
『頭!冷やしなさいよ!2度と
そんな事、言うなってのよ!!』
そんな ヤジで、
サンバシから、
ユキノジョウと ユリヤは
さけびあう 親達を
見る。
「ユキくん、なんか お母さんたち
水のかけあいしてるね。」
「だな。暑いし、ダレもいねーし
親でも 海って遊べるのな。」
おたがい、見合わせてみるけど
サンバシは、長くて
ズンズン 歩いて
先まで進むと、そんな 母親たちの
声も とぎれてくる。
『何で、よりによって、ここで』
副女さんが 何かいいながら
プラコップで、海の水を
ユキノジョウの母親に
かけて、
ユキノジョウの母親も
同じように プラコップで
水を飛ばしてる。
それでも、遠いから
2人とも 人ごとで、
あせる感じも、出ない。
「なんか、おこってるみたい」
後ろの浜で、
海の水を ガバカバ かけあう
母親達を
ユリヤが、見る。
「大丈夫だろ。
ユリ、ここ、床ぬけてる」
ユキノジョウは、穴があいた
サンバシを 指さして
ユリヤの手を 引っぱった。
海は、カモメも 飛んでない。
おだやかだ。
「うん。アコちゃん、
来たら 良かったのにね。」
ユキノジョウは、そのまま
ユリヤと手をつないで サンバシの
真ん中まで来た。
「アコは、アコで 遊んでるって」
アイツは、どこでもすぐに友達
出来るからな。
母親に似てるんだよ。
穴を2人でさけて、
ゲートみたいな 所に ついた。
真ん中は、少し高くなって、
そこに
白い鉄のゲートが ついている。
なぜか 山形に サンバシが
作られてたから、
さっきまで
ヤミに ゆるーい、
のぼり坂だったのだ。
白い ゲートには、
カンバンが ついていて、
『welcome』って
風にゆれている。
ユキノジョウと、ユリヤは
息をついて、
後ろの浜を
ふりかえって 見た。
白いテラスハウスの並びは
ここまでくると、
一見、無人には見えないくらい、
空と 緑に 白く 映えてた。
日本じゃない みたいだぞ。
いかにも 夏のリゾートっぽい。
そんな ところで、
母親達は、
水の かけあいと、
いい合いを していて。
『どいつも、こいつも、いいかげんにしろっ!クソがっー』
ときたま
副女さんの デカイ声が した。
「なんか、いつもとちがうくね?
ユリんとこの 母さん。」
さすがに、あれは、どーした?
と、
「「あ」」2人が 止まる。
「あれ、母さんキレたな。」
ユキノジョウの母親が
副女さんに、砂をかけたのが
見えた。
「ドロ試合だね。」
いい大人が、砂と水をかけあい
している。
ドラマで、『フリンのシュラバ』
ってやつみたいだけど。
なんだか、へんな
夢みたいに ユキノジョウは
見ていた。
「ユキくん、くれるモノ、何?」
ふと、
ユリヤが 浜で
ユキノジョウが いったのを
思い出したのだろう。
「うん。忘れてた。じゃ、
サンバシのはじっこで、やる」
いつもの 親達とちがうのに、
ボーッとしていた、
ユキノジョウと ユリヤは
また、サンバシを歩していく。
白で 太陽を てり返してるけど、
サンダルの足が サンバシの熱で
あつくなってきた。
「ユリ、足あつくね?海に足つけるか?」
山形に 真ん中が高くなった
サンバシも、ゲートを
こえると、
だんだん 低くなる。
海がみちると、半分は
海ん中になるのかもしれない。
「大丈夫。ね、船?」
ユリヤが、ユキノジョウに
返事をして、前を見る。
ユキノジョウも、
サンバシの床を気にしていた
目を 海に向けた。
「船?」
サンバシの1番先に
とうとう来た 2人は、
波のまだ向こうに いる
船を 見つける。
ここまで来たら、
もう 浜の声は 聞こえない。
サンバシは、海近くまで
低くなっている。
サンダルの足を おたがい、
手をつないで 支えて、
海に冷す。
「そだ、これ。ユリにやるよ。」
ユキノジョウは、
海水パンツのポケットの
ジッパーを 開けて
ユリヤの手に 中のモノを
入れこんだ。
ユリヤが、静かに
手を開けると
光るとうめいの 小さいモノが
ある。
「ガラスのくつ?」
「うん。水着買ったとこで、
お土産 うってたやつ。ユリに
やろって買っといた。やるよ」
「かわいい。ユキくん、
ありがとう。」
サンバシに 立ったまま
ユリヤが、ユキノジョウに
頭をさげる。
「あ、いいよ。別に。いつも
いっしょにいるから、たまには
だって。これからも、よろしく」
いっしゅん、
ユリヤが 目を丸くした気が
ユキノジョウにはした。
「ユキくん。
半年したら 中学だよ、、」
「じゃ、オレ、中学いったら
また、よろしくな、、」
そう笑うユキノジョウに、
ユリヤは 手のひらの
モノを 太陽に かざした。
とたんに、太陽の光を 反射させて
波に 虹をつくって、
2人が 声をあげた時。
遠くにあった
船が すぐそこに来ていたのに
気がついた。
そして、
ユキノジョウが 思ってた
顔が、船に見える。
「あ、ハジメさん?
タイミング悪りーよ。」
白しけメン
ハジメが
ヒラヒラと、手をふるのが
みえた。
同時に、
サンバシの 向こうに、
ユキノジョウとユリヤの
他に ゆれる感じが 伝わる。
ハジメが 船から
さけぶのが 見えて
ユキノジョウは
ユリヤの手を 高く見せた。
どうだよ!ちゃんと
キラキラするもの わたしたぞ!
ユキノジョウが
ハジメに そうサンバシから
さけぼうとしたら、
『コラーーーーーーーーー!!』
『あんた達ーー、へんなのに
ついていっちゃダメーーー!!』
後ろから、
ものすごい 顔した
副女さんと、ユキノジョウの母親が つかみかかってくる
いきおいで 走ってきた。
さすが 運動会で
『ほごしゃリレー』で
毎年 走るだけあるよ、
あんたら。
なら、
行きの船も 走れたぞ!!