星空の下、君の世界輝いて。
「あっ、噂をすれば夜空くんだ。」


「ほんとだ。
雛、夜空くんだよ。」



トントン、と肩を叩かれて。
声の方向を探すようにしていたら、ぎゅっと手を握られた。


この感じは、間違いない。夜空だ。



「雛、ごめん。
今日委員会遅くなるから、教室で待ってて。」


「いいよ、大丈夫。1人で帰れるから。」


「駄目。ちゃんと待ってて。」


「…分かった。」



1人で帰れるのに。
夜空が、いつもより強めの声色で言うから不貞腐れたようにわたしも返してやった。


過保護なんだよ、夜空は。
わたしだってもう高校生なんだから、1人で寄り道して帰ったりしたいのに。



「じゃあ、また帰りに。」


「…うん。」


「やっぱりかっこいいね〜!夜空くん。」


「かっこいいけど、夜空くん雛にしか優しくないからなあ。
勿体ない、モテるのに。」



そんなこと言われたって。
わたしは夜空の顔をはっきり見れたことはないし、分からないに等しい。

ずっと一緒にいるのにね。





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