新たな恋の始まり
「ああ 莉子?
もうすぐ終わるよ
あっ!何なら来る?
3階の会議室
別れないとすがれて困ってんだよ」
と話し電話を切った。
「莉子?莉子って誰?」
「ああ 莉子はオレの彼女
本命の女」
「本命?何それ•••
それに別れないとすがってない!
適当なこと言わないで」
「お前こそ
他に男いるんじゃないの?」
「いるわけないじゃん!」
「あれほどめんどくさいほど
束縛してたくせに今は何?
理解力のある女の振りして
俺が何しようと何も言わないだろ」
言わせない様にしたのは誰よ!
「ウザイって言ったんじゃん
だからあたしは剛を信じて
言わない様に努力した
それなのに他に男がいる?とか言う?」
「あーそうか
男できるわけないか
その飾らない服装といいメイクといい
もう少し自分を着飾ったらどう?」
そのままの美波でいいよって
言ってくれてたのは誰?
メイクはナチュラルメイク
服装だってそんなに変だとは思ってない。
「剛にそこまで言われたくない!」
すると扉が開いた。
そこに現れたのは
今年入社したばかりの
同じ総務課の新人だった。
莉子•••塩崎莉子。
「何で塩崎さんが?」
「せんぱーいごめんなさーい!!!」
この言い方 この声!
塩崎さんは男ウケしようと
猫撫で声で話していて
女子社員の中では
あまり好かれていない。
「何なんアイツ」と
言う先輩女子やそういうのが嫌いな男子などが
言うのを聞いたことがある。
「塩崎さんがどうしてあたしに謝るわけ?」
「先輩の彼氏を取っちゃう感じになったから
あっ!そっかぁ〜
付き合ってなかったんですよね
先輩の一方通行でしたよね」
何でこの子に
こんなに言われないといけないのか
ムカついて拳に力が入る。
散々私に嫌なことを言ってたくせに
剛が塩崎さんを
「そこまで言うな!」と怒った。
「剛さーん怒んないでっ!」
と腕を掴んだ。
「あっ ごめんな」
と優しく塩崎さんの肩を抱く。
「あたしのほうこそ
ごめんなさい」
このバカカップルの様な
2人の世界。
「美波 オレは莉子と付き合うから
お前とは終わりにしたい
ちゃんとキリを付けてないと
お前がずっとオレを思ってたら
迷惑だから」
「わかった」
迷惑だとか言われて
何も考えられなくなった。
今まで何だったのか。。。
「剛さん!この人に
私たちの関係がこの人にわかっちゃって
仕打ちされないかしら?
明日からやりにくいんですけど」
「その時はちゃんと守るから」
「何もしない するわけないじゃん
もう分かったから
2人とも出て行って!」
「ほらほらぁーもうツノ出してる!
怖い怖い」
私の方が明日からやりにくいよ。
「莉子に何かやったら許さないからな」
すると給湯スペースから
ドンっ!と大きな音がした。