異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。
「ユーリ、どうかしたか?」

ブラッドが近付いて来ていたことに気付いておらず、ピクリと肩を揺らす

「あっ……えっと、クリス様に負けた原因を知りたくて、観察していたんですけど、勝てなかったことに納得させられるばかりで……どうしたら勝てるかは、見つかりませんでした」

「ははは。あの人に勝とうと思ったら、より一層頑張らないと無理だな」

「ですよね。一目見てわかります」

「それなら、直接指導しよう」

「えっ?」

振り返ると、いつのまにかクリスも近付いてきていた。

「クリス?」

ブラッドが、眉をしかめて呼びかける。

「時間の許す限りだ。ユーリを見てやる」

その申し出には驚いたものの、これはありがたい提案だ。強い相手に稽古をつけてもらえば、それだけ自分の成長につながる。

「よろしくお願いします」


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