異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。
クリスと共にライラの元へ向かうと、ブラッドが眉間にシワを寄せた。

「クリス?」

「大丈夫だ。信頼できるのだろ?」

そう言って、既に食べ終えた騎士らを見回した。そのやりとりがなんなのか、よくわからない。とりあえず、私も一切れ口に入れた。

「うん、美味しい」

「そうだな」

思わず呟いた独り言に、思わぬ返事があって驚いた。声の主はクリスだ。

「ユーリは料理も得意なのか?」

「得意って胸を張れるほどではないてすけど、一通りのことはできますよ」

「そうか。こういう体に良いとされるメニューを、また作ってくれると嬉しい」

そう言って、クリスが笑みを向けてくる。その笑みが予想外に眩しくて、ドキリと胸が跳ねる。

「は、はい。また考えてみます」

私の返事に満足したのか、クリスは笑みを深め、ブラッドと共に去っていった。





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