異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。
「悠里さん。一度ぐらい、食事に付き合って欲しいのですが」

まだ諦めてくれない。もう、どうしたらいいんだろう……

「すみません。お付き合いしている人がいるので、誰であろうと男性と2人で出かけることはできません」

一応、まだ別れ話はしていない。嘘にはならないからいいだろう。

「残念です。悠里さんはどうしたら、僕の方を見てくれるんだろうか……」

「すみません」

これ以上何かを言われる前に、すぐにその場を後にしたけれど、また聞こえてくる。

「なにあの態度。せっかく先生が声をかけられてるのに」

「本当よね。あの人、不愉快でしかないわ。早くどっかに行ってくれないかなあ」

悔しくて、ギュッと唇を噛む。
どうして私がこんな目に遭わないといけないの?
どうして先生は諦めてくれないの?
なんで……
溢れそうになる涙をぐっと堪えて、逃げるようにして自分の部屋に駆け込んだ。



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