異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。
クリスとは、ここのところは2日と開けず、どこかしらで顔を合わせていることもあって、彼にはブラッドやライラと同じぐらい信頼を寄せている。女性なら誰でも見惚れてしまうような容姿もさることながら、それ以上に剣術に向かう姿勢や誠実さに、すっかり尊敬している人物だ。

「いやいやいや。あんな素敵な人だもん。慕う女性は多いはず。単なる気まぐれで、友人としてのお誘いかな」

この誘いの目的が掴めず、あれやこれや考えてはみたものの、一向に答えは出せない。出かけるのは明日の午前。待ち合わせの場所はよくわからないけれど、ブラッドが連れて行ってくれるらしい。


「失礼します」

悶々としていると、ライラがやってきた。

「ユーリ、クリス様に言われて衣服を預かってきました」

「クリスから?」

そう言って見せられた服は、いつもの実用性重視のシンプルなものではなく、フレア袖の上品な空色のワンピースだった。豪華な飾りがついているわけでもないのに、その雰囲気から高価なものであることが窺える。

そして、あることに気が付いた。

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