異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。
祝福と諦めと、体裁のための拍手が起こる。認められていないのは、よくわかっている。それでも私は、この人に恋をしてしまった。ルイスがいいと言ってくれるのなら、それを信じるだけだ。

ルイスの向こうに目を向けると、満足げに頷く陛下と王妃様がいる。騎士達も、体勢は変わらないものの、うっすらと口角を上げて喜んでくれているのがわかる。

もちろん、ご令嬢達は私に鋭い視線を向けてくる。
そこに、一人の令嬢が一歩前に出てきた。一際美しい女性で、会場にいる誰よりも豪華に着飾っている人だ。

「ルイス様。これはどういうことでしょうか。そちらの方は、どういう方ですの?」

私には厳しい目を向けるものの、ルイスには甘えるような視線を送っている。

「どうとは?」

「私達、これまでずっとお妃選びの場に出向き、ここまできたんです。それなのに、初めてお見かけする正体のわからない方が次期王妃に選ばれるだなんて……」


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