異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。

「レジーナ嬢、何か勘違いしていないか？」

ルイスがジロリと冷淡な目を向ければ、レジーナはその恐ろしさに身を竦めた。しかし、ここで引くわけにはいかないと思い直したのか、気丈にもルイスに問い返した。

「か、勘違いというのは……」

「まず、私は次期王妃を選んだのではない。私の生涯の伴侶を求めたのだ。そして、私の想いをユーリに受け入れてもらったのだ」

ルイスの言葉に、レジーナが唇を噛み締める。

「お妃選びは、長老達を中心に進められる。しかし、その過程は勝ち残り戦ではない。途中で辞退する者もいれば、新たに候補に加わる者もいる。ユーリは正当なお妃候補として、今宵ここに招待されている。候補に残った者の中から、最後は私が判断する。だからこうして、私はユーリを求めたのだ。何か問題でもあるというのか？」

ルイスの静かな怒りが伝わってくる。まるで、視線だけで威殺してしまいそうだ。
王太子の怒りを察して、レジーナ嬢の父親らしき人が、彼女に下がるように腕を引いた。