異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。
「今宵集まったご令嬢達、ご苦労だった。ご覧の通り、私は妃を選んだ。紹介しよう。彼女の名はユーリ。異国から来た姫君だ」

ひ、姫君って……確かに、本当のことを言える雰囲気ではないけれど……

「陛下、私はユーリを妃とします。よろしいですね?」

「ああ。問題ない」

陛下のお許しが出ると、ルイスは満足そうに頷き、私に微笑みかけた。

「ちょ、ちょっとお待ちください」

声を上げたのは、前方に座っていた老人のうちの一人だった。彼は終始不機嫌そうに眉間にシワを寄せ、顔を歪めていた。ルイスが長老だとそっと教えてくれる。

「ルイス様。お妃様のことはともかく……」

「ともかく?」

彼の一言に反応して、途端に冷たい視線を向けるルイスに、長老ですら怯えているようだ。

「し、失礼しました。お妃様はそちらのユーリ様がなられるとして、側室も選んでいただかなくてはなりません」

長老の言葉に、ルイスはフンと鼻を鳴らした。

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