異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。
「側室など要らぬ。私が生涯愛するのは、ユーリ一人だ。どうしても側室を決めろというのなら、長老達に一任する。ただし、その者の元を私が訪れることは、一度もないだろうがな」

ルイスの発言に、ホール内がざわめき出す。長老は、怒りにワナワナと体を震わせている。

「で、ですが、お世継ぎが生まれなかったとしたら……」

「もしもの話は要らぬ。私とユーリの間に男児が生まれなかったとしたら、弟王、およびその子に継がせる」

「なんだって」
「弟王のお子を……」


「静かに」


ルイスの鋭い一声に、ざわめきがピタリと止む。

「もともと、私は誰かを娶る気はなかった。陛下の了承の元、予め弟王にもこの話を通してある。
王家の血を引く男児であれば、王になることができる。そこに絶対的な条件は含まれていない。そうだな?」

ルイスは長老に向けて、念を押すように確かめた。

「そ、それは、そうですが……」


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