異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。
「ユーリが騎士達に保護された時、本来ならすぐにでも面談するべきだった。しかし、多忙なことに甘えて、面談を先延ばしにしていた。その間、ブラッドからユーリに関する様子が次々と伝えられた。自ら剣を持ち、女性であるユーリが騎士を打ち負かしたと聞いて、興味を持った。身分を偽って近付いてみれば、ユーリはこれまで見てきたどの女性とも違っていたんだ。働くことを厭わず、騎士達に混じって剣術までこなしてしまう。ユーリの真っ直ぐさに、精神の強さに、私が抱いていた興味はすぐに好意に変わった」

高鳴る胸を落ち着かせながら、ルイスの話を聞いた。おそらく、真っ赤になりながら。

でも、視線を逸らすことはできなかった。ルイスの身分に関係なく、一人の男性として惹かれていることを、改めて自覚していた。

「ユーリ。もう一度聞かせて欲しい。私と共に生きてくれないか?」

そんなの、もう決まっている。私はこの人とこの世界で生きていきたいと、初めてデートをしたあの日の夜、自分自身と向き合って心からそう思ったのだ。

「はい。よろしくお願いします」

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